日本酒の大きな特長は並行複発酵によって造られる醸造酒です。
発酵とは酵母が糖分を食べてアルコールを出すこと。
これでアルコールが造られるのですが、
お米には糖分がありませんのでそのままでは発酵しません。
そこでお米を麹菌の酵素によって糖分に変え、酵母を加えて発酵させます。
日本酒は糖化とアルコール発酵を同時に行うことでバランスよく発酵をしていますので
他の醸造酒よりもアルコール度数が高いのも特長です。
- 精米
- 酒造りは米を選び、精米することから始まります。それぞれのお酒に合った最良の玄米を選定し、雑味となる外層部の蛋白質や脂肪分を取り除き、磨き上げます。米の原型に合わせて精白する「扁平精米」は、通常の精米に比べて、10%の高精白効果が得られるといわれています。
- 蒸米
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洗米され透明度の増した白米は、吸水させて蒸します。蒸米は、次に続く3工程(麹・酛・醪づくり)に使用します。お米の種類や精白度、仕込むお酒によって、蒸気圧や温度、時間を綿密に計算し、調整します。
- 麹づくり
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蒸米を適温まで冷まし、麹菌を振りかけ生育させます。麹は、お米のでんぷんをブドウ糖に変える働きを持ち、旨みやコクなど、出来上がったお酒の味わいに重要な役割を果します。温度・湿度・通気性等の環境管理には、長年のノウハウと高い技術が必要とされます。
- 酛(酒母)づくり
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酛は、酒づくりに不可欠な酵母を、純粋に増殖させる目的で造ります。 酛桶に水・麹と、清酒酵母を入れてかき混ぜます。さらに蒸米を加え酵母を育てていきます。酛の酒類には、生酛(きもと)、山廃(やまはい)、速醸(そくじょう)などがあり、目指すお酒の品質に合わせて、酛を造ります。
- 醪づくり
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仕込みタンクに、水・麹・酛・蒸米を入れて、約23日間かけてアルコール発酵させます。これらは一度に全量を混合するのではなく、酵母の活性を弱めないように、通常3回に分けて仕込みます。麹菌が持つ酵素によってでんぷんが糖化され、糖は酵母によってアルコール発酵します。
- 熟成
- 出来上がった新酒は、貯蔵タンクで充分に熟成することにより、味わい深く変化します。お酒の種類や目指す味によって、貯蔵温度や貯蔵期間を調整します。